ドラマティック(演劇的手法)

長岡素彦

 ドラマティックワークショップは演劇的手法ワークショップであり、ワークショップはその始まりからある意味「演劇的」でした。ここでいう「演劇的手法」のワークショップは演劇のためのワークショップではなく、社会や組織の問題を演劇的手法によって解決するワークショップです。

 そのひとつに、社会的活動・識字活動から生まれたパウロ・フレイレのファシリテーション、ボアールの提唱した「被抑圧者の演劇」手法、「非暴力トレーニング」などもある。

  演劇的手法のファシリテーションはラテンアメリカ、アジア、ヨーロッパでは社会教育的な機能やまちづくり的な機能も持った活動としても行われています。

演劇的手法のファシリテーションにはフィリピン教育演劇協会(PETA)の「民衆演劇」手法、ボアールの提唱した「被抑圧者の演劇」手法、イギリスの「参加型演劇・観客参加型演劇」手法、日本で培われた「演劇手法」などがある。

 日本では1980年代から日本の演劇人がフィリピン教育演劇協会と交流しながら,「演劇的手法」のワークショップが行われ、世田谷パブリックシアターでは1999年から地域の物語ワークショップが行われています。


◆連続ワークショップ「まちでつながる、広がるワークショップ」シリーズ 2007/9 ~ 

 ピーブルズシアター・リコリコとの連続ワークショップ「まちでつながる、広がるワークショッ

プ」シリーズの「演じて気づくエコロジー『まちと地球とわたし』」、「地球とつながる身近なく

らし」で実施されています。

 「演じて気づくエコロジー『まちと地球とわたし』」は、自分の身近な問題を演劇的に身体で解析し共通

理解をつくり、参加者が問題点を劇化することで考えを深め、路上で劇として発表する。さらに、その路上劇を道行く人、観客とともに再創造するワークシップである。

「地球とつながる身近なくらし」は、専門家のレクチャーをもとに演劇的手法ワークショップを行うもの

で、「食から考える持続可能な世界と地域」、「木とまちについて考える」、「アジアの環境教材と日本の

くらし」などの多様なテーマを取り上げて行いました。

「エコリコワークショップ」は、フォーラムや専門家のレクチャーをもとに演劇的手法ワークショップを

行うもので、「持続可能な環境と農―ESD~空き地から始まる持続可能な社会」、「市民が発信する平和

INかわぐち ~ 平和の文化を創造するち」、「私たちとたべもの-遺伝子組み換え食品を考える」など

を行いました。


「路上のファシリテーション-みちばたからまちづくりプロジェクト」

 長岡素彦 「住まい・まち学習」実践報告・論文集 9 2008年

日本ファシリテーション協会 2007大会  FAJ Tokyo Forum 2007

第1分科会 演劇的手法ファシリテーション分科会 (長岡素彦)

「持続可能な未来へ」

 「誰もがファシリテーター」を目指すファシリタティブのひとつの手法である「演劇的手法ファシリテーション」の分科会です。演劇的手法ファシリテーションをじっくりやるブログラムとちょっとやってみたい人向け「タイタニック」もあります。 ワークショップのテーマの「持続可能性」は世界や地域に限らず組織でも、今もっとも重要なテーマです。  

 ・必要なもの:    からだと想い、動きやすい格好

 ・必要の無いもの:  固まった考えと屁理屈

 大事なことをきめるのにうまくいかない。みんなで考えることなのに意見が出ない。言葉や文字、コンセプト図だけで議論するのはちがう気がする。ファシリテーションっていっても仕切り役や話が上手で声の大きい人が...。こんなことを感じていませんか。演劇的手法は演劇のための手法ではなく、社会をからだで、想いを含めて考え、表現しあうことで、まとまっていくものです。

ピープルズ・シアターリコリコとは 演劇的手法を使った社会参加の方法、ピープルズ・シアターを広げるための活動を行う団体です。